矢沢永吉の生き様を描いたドキュメンタリー

前人未到の武道館100回公演のステージやレコーディング、インタビューを収録

幼くして父を亡くし、極貧の幼少時代を過ごした少年は「俺は絶対に上に行かなきゃダメなんだ」と決意する。彼の名は矢沢永吉。中学時代にラジオから流れるザ・ビートルズを聴いてロックに目覚めた彼はいつの日かスターを夢見るようになるのだった―。

時は流れて、反戦・平和をテーマ掲げたフォーク音楽、そして歌謡曲が全盛期を迎えていた1972年。ロックが受け入れられていなかったそんな音楽シーンにどでかい風穴を開けるべく、衝撃デビューを果たしたのが、リーゼントに皮ジャン、黒ずくめのファッションで統一した矢沢率いるR&Rバンド「キャロル」だった。

キャロルの解散後、ソロ活動の道を選んだ矢沢は、数々の困難にも負けず、名実ともにトップスターへと登りつめる。そして、自分が理想とする音楽への飽くなき追求を続けた結果、2007年12月に武道館100回公演という前人未到の偉業を成し遂げる。

本作品では、武道館100回公演のステージで観客の心を鷲掴みにし、熱狂の頂へ誘うシーンをはじめ、緊張感が張り詰めたレコーディング風景まで舞台の表と裏に完全密着。完成を目前に、容赦なくダメ出ししながらも、疲れたスタッフを気遣い、場を盛り上げ、テンションを上げて完璧な音を作り上げていく。あるいはプライベートな時間の家族を想い、話す、リラックスした矢沢の優しい素振りも映し出す。

野心に満ちた目で夢を語る若き日の矢沢と、還暦を迎えた矢沢が未来に見ているもの…。これまで後悔されることのなかった貴重な映像の数々が、矢沢が歩んできた30年間の歳月を映し出す。素顔の彼にカメラを向け続けたのは、前作「矢沢永吉 RUN&RUN」のプロデューサーを務めた増田久雄。

国内のみならず、アメリカ、南太平洋ミクロネシアでの撮影を交えながら、オンとオフ、インとアウトの矢沢を様々な角度で映し出した本作は、二人の信頼関係なくしては完成しえない、傑作ドキュメンタリーとなった。稀代のカリスマは語る「60歳になってもロックをやれる、ケツが振れる。それに感謝しないで、何が感謝だ」と。彼は更に上を目指し続ける―。

 
Copyright (C) 2011 ドキュメンタリー映画「ROCK」の紹介サイト